トイレトレーニングは保育園だけで行うものでもなく家庭だけで頑張るものでもありません。連携して行うことではじめて子どもの排泄のサポートを行うことができます。連携がとれていないと保育園と家庭双方から「トイレトレーニングをしてくれない」または保育園や家庭に一方に任せきりという声が聞こえる場合もあります。日々の保護者とのコミュニケーションや時にはおたよりなどを使ってこまめにコミュニケーションをとる事が大切です。
トイレトレーニングとは?
オムツからトイレで排泄ができるように練習をすることです。子ども一人一人の心身の成長に合わせ排泄の自立をサポートするものです。トレーニングは心身の成長に合わせて行うものなので、月齢の低いうちに行えば良いというわけではありません。自然にオムツがはずれるようサポートするトレーニングです。
いつからはじめる?トイレトレーニング
「早めにはじめたい」と考える保護者やトイレトレーニングはトレーニングができる心身の成長が整った上ではじめます。心身の成長が整っているという詳細はこちらを参考にしてみましょう。
トイレとレーニングは始められる準備ができている目安
【身体機能】
・しっかりと歩く事ができている
・おしっこの間隔が2~3時間程空く
(成長に伴い膀胱が大きくなり、尿をためておけるようになっている)
※尿がためられるようになることで、膀胱と大脳の伝達回路の発達により排尿の感覚がわかるようになることから、トイレトレーニングが進みやすくなります。
【言語】
・保育士と意思疎通ができている
例:「チッチ、行く」などの2語文が話せることを目安にする
【その他】
・トイレに興味を示すようになる
■月齢だけではない、個人差があるのでスタートのタイミングはひとそれぞれ
トイレトレーニングは2歳児頃のはじめるお子さんが多いですが、心身の成長には個人差がある為あせらず、一人一人の成長を見て進めましょう。
■タイミングが合わない時は仕切り直しもアリ!
トイレトレーニングは本人の成長の状態と合わせ保護者の状況や環境も大きく関係してきます。このような場合は保護者とよく話し合い、スタートするタイミングを決めましょう。
・引っ越しがある場合
・遠方への旅行を予定している場合
・弟・妹が生まれる直前や直後
・保護者の病気やケガで自宅でトレーニングが難しくなってしまった場合
トレーニングができる環境が整ってから、保護者とよく話し合いタイミングを検討しましょう。
保育園でのトイレトレーニングに必要なもの
・失敗した時用の余分な着替え
(汚れ物が増えるので衣類には必ず記名をしてもらう)
トレーニングでは、余分な着替えの他におねしょシーツや家庭と連携する為の家庭のトイレの環境設定(オマルや踏み台、などの準備)が必要なこともあらかじめ話をしておきましょう。
保育園でのトイレトレーニングの環境設定
・子どもがトイレに行きたくなる環境設定をする
トイレが怖いという子どもも少なくありません。怖いという印象を与えない壁面装飾や空間を楽しくする工夫をしてみましょう。
・トイレ内に危険なものがないか環境を整える
手の届く所に危険な洗剤がないか、子どもが内側からかけられるような鍵の配置になっていないかなど安全にトイレができる環境を整えます。
・失敗した時用の環境・掃除用具を整えておく
何度も失敗する可能性があるので、十分な数の掃除用具を整える。
すぐに拭きとれるような床材やマットを用意する。
衣類の着脱がしやすいように着脱スペースの確保や手すりやイスなどを準備する。
・保育園全体の衛生環境を整える
汚れ物が増えると衛生環境が保てなくなりがちなので、汚れ物の保管スペースを確保するなど汚れ物管理を徹底する。
・トイレに誘って座らせてみる
1時間に一回誘ってみるのが理想ですが、食事の前後や活動の前後など区切りの良い時に誘い、トイレの習慣付けを行います。
・できた時にたくさん褒める!
習慣付けをしているうちに、おしっこやうんちを出すことができた時にはたくさんほめましょう。初めはできないことがほとんどです。習慣化するうちにできるようになるので長い目で見守りながらサポートを行います。
トイレ―トレーニングの進め方
- 絵本・ぬいぐるみ・パネルシアターなどでトイレトレーニングを行う、トイレができるようになるというイメージ作りを行う。
①短時間からパンツで過ごす
②1時間に1回などマメにトイレに誘う
③少しずつパンツで過ごす時間を長くする
トイレに誘う時の声掛けのタイミング
トイレに誘うタイミングは、生活の中での区切りのよい時を見計らい行ってみましょう。
具体的には、
- 朝起きたとき
- 朝食の後
- 午前中のおやつ前
- 昼食の後
- お昼寝の前後
- 3時のおやつ後
- 夕食後
- 就寝前
などです。遊びに集中している時などに声掛けすると気持ちがのらない上に、トイレが嫌いになってしまう可能性もあるので、タイミングの良い時を見計らい行いましょう。
トイレトレーニングに使用するもの(パンツ・おねしょシーツ)
トイレトレーニングに使用するパンツは、初めは4層構造や3層構造のものを履き、おもらしに備えます。おもらしがほとんどなくなってきた場合には薄いパンツにしましょう。
また、お昼寝時におねしょがほとんどない場合には、オムツでのお昼寝をやめてパンツとおねしょシーツでお昼寝をしましょう。
トイレトレーニングななかなか進まない時
●自宅ではトイレが怖くて、お風呂でトイレをしてしまう
●保育園のトイレは緊張して、なかなか出ない
●うんちのトレーニングだけ進まない
●先生によって、出る出ない、行く行かないがある
などがある場合があるかと思います。
そんな時は・・・
★型にはまらず“排泄に慣れる”という所に注力してトレーニングを行ってみましょう。
よく、「3歳を過ぎても、トイレトレーニングが進まない!」と周りの大人が焦る声を聞く事がありますが。焦りは禁物です。大人が焦ることで逆に進まなくなってしまう場合があります。
★トイレに慣れるまで自宅ではお風呂でしてもOK!
★トイレが好きになるまで無理強いはしない
★トイレの時だけ子どもが慣れ親しんでいる先生に行ってもらう
など子どもの気持ちに寄り添いながら焦らず進めてみましょう。
★トイレに子どもの好きなイラストやキャラクターなどで装飾してトイレを楽しい空間にするもの効果的です!
トイレトレーニングにオススメの絵本
●ひとりでうんち
●トイレいけるかな
日頃の絵本の読み聞かせにトイレについての絵本も加えてみまましょう。
トイレトレーニングの声掛け方法
まずは「失敗してもいいんだよ」と失敗しても叱られない、失敗しても大丈夫という意識づけを行いましょう。失敗して叱られたことで悪循環になることがあるので、やさしく声掛けすることが大切です。その後に「次は早めにトイレに行ってみようね」とやさしく伝えます。
自ら「トイレに行きたい」と意志を伝えてきたら
尿意を感じ、排泄の前にしっかり言葉で伝えることができるようななれば一人でトイレができるようになるものもうすぐです。自分の意志でトイレに行けるようサポートしていきましょう。
NGな声かけ
●自尊心を傷つける
「トイレでおしっこできないから、赤ちゃんクラスに戻る?」
「いつもお漏らしで恥ずかしいね」
など、自尊心を傷つけるような言葉がけをすることは絶対にNGです。
できないながらに子どもも頑張っていますので、温かく見守ることが大切です。
●強く叱る
「何回言ったらわかるの?」
「どうしてトイレでおしっこできないの!」
委縮していまったり、自信を失う言葉はNGです。
●他の子を比べる
「トイレできないの◯◯ちゃんだけだよ」
「◯◯ちゃんはトイレできてるよ」
成長には個人差があります。トイレトレーニングの進み方も一人一人違いますので、できることや頑張っていることをしっかり褒めることが大切です。
家庭と保育園の連携の仕方
保護者との連携を行う
「保育園ではトイレに行ってくれるのに、家ではトイレを嫌がる」など保育園と家庭とでは子どものトイレトレーニングに対する姿勢も違うものです。トイレトレーニングには保護者との連携が最も大切です。トイレトレーニングで成功したこと、失敗したことを日々共有し、保育園で成功した時には家庭で行い家庭で成功したときには保育園で試して、トレーニングを成功させることが大切です。成功したことを双方で共有することで子どもの自信にもつながります。
まとめ
いかがでしたか?トイレトレーニングはすぐに結果の出ることではありませんが、トレーニングは子供の成長を確かめられる一時でもあります。長い目で見守り、褒め励まし自信を持って行動していけるよう周りの大人皆で協力し取り組みましょう。