わざと保育士や親を困らせる「試し行動」。
どうしてこうなるの?とストレスを抱えてしまったり、疲れてしまう保育士や保護者も少なくありません。
今回は子どもの試し行動について解説します。
こんにちは!
「すてきな保育士の仕事」を運営しておりますHIROKOです。
私は保育士として、区立・私立の認可保育園での勤務経験を持ち、認可外保育園を7年間運営者しておりました。
現在は子育てをしながら保育士の相談を受けたり、サイトの運営をしています。
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そもそも「試し行動」とは?
「試し行動」とは、わざと大人が嫌がることをして大人の反応をみる行動をいいます。
具体的には、わざと絵本を破いたり、わざと暴れたりして「こんなことをしても受け入れてもらえるかどうか」を試します。
悪い事をしても大人は自分を受け入れていれるか愛情確認をしている行動です。
■具体的な「試し行動」の例
・わざと飲み物や食べ物をこぼす
・ものをわざと投げる
・親や保育士が嫌がる行動を何度も行う
・大人の様子を見ながら逃げる
・わざとわがままを言って泣き叫ぶ
「試し行動」はいつからいつまで
試し行動は、例えば2歳くらいでは物を投げる・泣き叫ぶなどから始まり、4歳くらいでは親や保育士の顔を見ながら前に叱られたことを繰り替えし行うなどがあります。
試し行動は何歳から何歳まであるというものではなく、年長でも小学生でも愛情が確認できるまで、その年齢なりの形で行われます。
「試し行動」の原因
●ちょっとした寂しさを感じた時に愛情を感じたい
子どもの「試し行動」が行われてとき、周りの保育士や親は愛情不足なのではないかと考えてしまう方も少なくありません。
インターネット上では特に、虐待などがあった場合など愛情不足な場合や、大人を信頼していない場合、里親に対してに多いと書かれている場合もありますが、それは特殊なケースです。
多くの場合は、親や身近な保育士の愛情を確かめたいという気持ちの表れです。
昨日したママとのケンカの後やお迎えが遅くなってしまった後など、ちょっとした寂しさを感じた後に愛情を確かめたいという気持ちになり愛情を確認する場合がほとんどです。
●どうしても気を引きたい時
どうしても自分に興味を引きたいがために「悪い」ことをして注目させる時があります。
例えば兄弟が多かったりして上の子や下の子ばかりを見ている親に対してや、保育園などで大勢の中の一人の自分という状況で気を引きたいと思うようです。
これは大勢の中にいる場合、ポジティブなことよりもネガティブなことをした方が早く注目してくれるからです。
●甘えたい時
●知らない人を試したい
はじめて会った人、会ったばかりの人が自分に愛情深く接してくれているだろうかと試している場合があります。
●不安や恐れがある時
引っ越しや兄弟が生まれるなど、周りの環境の変化で心が不安定になり「試し行動」をとる場合があります。
「試し行動」をされた時の対応方法
「試し行動」は一定の人にだけする場合も少なくなく、回数が続くとなぜ私だけ?と、自分は子どもに嫌われているのではないか?困らせたいのではないか?と考えてしまう人多いようです。
つい怒ってしまったり突き放してしまったりしがちですが、それは逆効果!今回は正しい対処法について解説します。
■してはいけないことははっきり注意する
危険なこと、周りが嫌がる事、ルールなどははっきり「してはいけないこと」として注意しましょう。
一度伝えてもわからない小さな子どもに対しては根気よく何度も伝えることが大切です。
■「どんなことをしてもあなたのことが大好き」と伝える
大切なことは、叱った後に、「どんなことをしてもあなたのことが大好きだよ」と伝えることです。
「試し行動」をして愛情確認したい子どもには言葉や態度で愛情表現をすることが最も大切なことです。
具体的な対応の事例
・叱った後に抱きしめる
・叱った後に「◯◯ちゃんのことはだいすきだけど、ジュースをわざとこぼす◯◯ちゃんのことは好きじゃないよ」という。
・叱った後に「◯◯ちゃんにおねえさんになってもらいたいから、叱ったんだよ」という。
・「そんなことをしなくても◯◯ちゃんのことをいつも見ているよ」という。
■一人ひとり性格は違う!その子に合った対応をしよう
一度言ってわかる子ども、何度も言わないと分かってくれない子ども、子どもは一人一人性格が違います。
どうして何度も言わなければならないの?と思ってしまうこともあるかもしれませんが、根気強くわかってくれるまで伝え続けましょう。
根気よく愛情を伝え続けることで二人の信頼関係がさらに深まると共に子どもの自己肯定感が高まります。
■子どもが「試し行動」をしたときのNG対応方法
・「勝手にしなさい」「もうしらない!」と言って置いていったり、放置するなど疎外感を与える行動
・「いいかげんにして」とうんざりする行動
・無視をする
・「そんなことする子は嫌い!」と否定する
対応方法によっては自己肯定感を下げてしまったり、さらに「試し行動」をさらにエスカレートさせてしまうもあります。
子育は時には根気が必要です。しっかり根気良く愛情を伝え続けることで子どもに自己肯定感が生まれます。
まとめ
いかがでしたか? 「試し行動」に疲れてしまっている大人も少なくありませんが、「試し行動」を行っている子ども自身も実は心の中に不安を持っているということがわかります。
「試し行動」を受け入れ、愛情を注いていくことで、子どもの心に自己肯定感が育ちます。
特に小さな子ども程、理解力に時間がかかる場合がありますが、根気良く伝えていきましょう。