こんにちは!「すてきな保育士の仕事」を運営しておりますHIROKOです。
私は保育士として、区立・私立の認可保育園での勤務経験を持ち、認可外保育園を7年間運営者しておりました。
現在は子育てをしながら保育士の相談を受けたり、サイトの運営をしています。
保育士現役中は特に、自分も含め周りの保育士の人間関係の悩みや仕事の悩みに日々向き合っていました。
保育士の悩みに寄り添い、保育士が気持ちよく働き、さらに活躍できるようサポートを行っております。
保育士に憧れてせっかく取った資格を、悩みで無駄にしない為に、今いる環境を変えてみるのも一つです。
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そもそも噛みつきはなぜ起こる?
1・2歳によくある「噛みつき」。とっさの噛みつき行動は保育士には悩みのタネです。
おもちゃの取り合いや遊具の順番などで相手に噛みついてしまうことがよくあります。
噛みつきの原因は欲求をうまく言葉にできないことが主な原因の一つです。
例えばおもちゃのやりとりであれば、「おもちゃが欲しい!」「取られたくない!」という子どもの表現として噛みつきが起こります。
かみつきを防ぐには?
小さな子どもの行動は予測がしずらいですね。
そんな予測不能な場合でも「環境の設定」と「繰り返し言葉で伝えていく」事を根気強く行いましょう。
噛みつく環境を作らない事と「噛みついてはいけない」という事を子どもの頭にインプットさせることが大切です。
今回は、自治体の発達支援員の方へ取材をさせて頂きました。
■噛みつきを起こさない環境設定
噛みつきはおもちゃの取り合いや混雑している場で起こりやすくなります。噛みつきを防ぐ為に
・おもちゃを普段より増やす
・混雑した場面をつくらない
・スケジュールに余裕を持たせる
など環境設定を工夫しましょう。
例えば、滑り台の順番の待ち時間を短くする為に、滑り台を待つ間に別の遊びをさせる。
子どもが「早く◯◯したい!」とイライラしないような環境を心掛けましょう。
また、子どもがストレスとためないよう天気の良い日は目いっぱい戸外遊びをすることも大切です。
■表現できない子どもの声を代弁する
1・2歳の子どもだとまだまだ言葉の数は豊富ではありません。
「かして」と簡単な言葉でもとっさには出てこない場合があります。
そんな時には、子どもの気持ちを汲み取り保育士が一緒に「かして」と言葉にしてみましょう。
「こういう時はかしてって言うんだよ」「こういう時はどうぞしようね」と繰り返し何度も言葉で教えていく事が大切です。
すぐには言えない子どもも成長と共にだんだんと言えるようになっていきます。
●代弁のポイント
「かして」ともし子どもが言えた場合などは「かしてって言えたね」など肯定することが大切です。
そうすることで、子ども自身が「噛みつかなくても他人へ自分の気持ちが伝わる」「コミュニケーションがとれる」ことを理解でき他人とのコミュニケーションがスムーズになります。
●おうちでの母親へのじゃれ合いの中での噛みつき
保育園や外で噛みつくのと、家の中で親とのじゃれ合いの中で噛みつくのは、少し意味合いが違います。
家の中でママとのじゃれ合いで噛みついてしまう場合は「大好き」という気持ちの表現の仕方がわからず、愛情表現=噛みつき、になってしまっている場合があります。
その場合は手を握って「手をギュってしようね」や、ハグをして「ギューしようね」など子どもの気持ちの表現の仕方を教えてあげることが大切です。
「かみつき」に対する保護者への対応
■噛みつきした子どもの保護者の気持ちを考える
保育士は自分の前で子どもがケガをしてしまったこと、させてしまったことがとてもショックですよね。保護者への説明もとても胃が痛いものです。
しかし、お友達にケガをさせてしまった子どもの親も気がきではありません。
「なぜ起こってしまったのか?」「これからもまた起こさないだろうか?」「子どもの発達についての心配」「相手の親への謝罪する気持ち」など心配がつきません。
保護者の気持ちを保育園としてもサポートしながら噛みつきを今後起こさないよう環境設定と保護者の心のケアを重視しましょう。
■保護者には事実を伝える
ここで最も大切なのは保護者に事実を伝え、その後保育園としてできるだけの対応をし今後なるべく噛みつきを少なくする対策をすることです。
保育士としては保護者に気をつかわせたくない、自分の前でケガしたことを大ごとにしたくないという気持ちもあると思います。
事故やケガについての説明は事実を述べ、保育園と家庭とで協力をして、噛みつきした子どもを今後どのようにして保育して行くかを話す時間とすることが大切です。
■保育中の環境設定を改めて見直す
子どもが噛みついた時を再度シュミレーションをします。その時に大切なのは
・家具や設備の配置
・時間設定
。行事などイレギュラーなことの前後ではないか?
このようなことがないか、確認をしてみることです。
例えば、手洗い場の順番で噛みつきが起こった場合その場所は人数に対して狭くないか?
午前中の外遊びから靴を脱ぎ履きする所で噛みつきが起こった場合は、遊びから次の行動への誘導への時間が短すぎないか? 子どもが心の準備ができるよう次の行動の前に次は何をするか声掛けをしているか?
運動会や遊戯会の前後で保育士も子どもの心身共に忙しい時期でないか?保育士や子どもの心身の負担になりすぎていないか?
などを改めて考えてみます。
■家庭でのかかわり方
普段家庭でかみつきをする事があるか?普段の子どもの家庭での様子はどんな様子か?
こちらについては、できればケガが起こる前に日々のコミュニケーションとして保護者に聞いておきたいことですし、保育園として知っておくことが大切です。
・普段家庭で噛みついているか
・家庭の生活リズム(朝食はとっているか?睡眠時間は眠くないかなど)
・家庭での休日の様子(保護者のストレスのない程度になるべく戸外遊びをしているかなど)
・かみつくことが日常茶飯事になっていないか(じゃれあいや遊びの延長になっていないかなど)
・家庭でもかみつきがあった時に子どもの気持ちにしっかり共感し、噛むことはいけないとしっかり話して聞かせているか
・家庭内で最近変わったこと(引っ越し、親の妊娠、習い事を始めたなど)はないか? このようなことを保護者に聞いてみましょう。 お迎えの時間など短い時間でここまで話ができない場合は、保育面談として改めて時間をとってみるのも良いでしょう。
■子どもの今後の保育
保育園内の環境設定や保育園として行うことが確定し保護者から家庭の様子が聞けた場合は、保育園としてのかみつきの対応策と家庭でしてほしいことなどを伝えていきましょう。
家庭でしてほしいこと(例えば、戸外遊びを多くすることやしっかり話をしてほしいなど)は一方的にならないように保護者の生活リズムや保護者の方針、保護者の悩みなども聞いた上でうまく言葉にできるよう心がけましょう。
■保護者のメンタル状況
子どもは親のメンタルに敏感です。
1.2歳の子どもを持つ保護者の中には育児休暇が明けたばかりです。
仕事と家庭の両立に悩んでいたり、子どもを通じた新しい環境に慣れなかったり、新しい環境に苦痛を感じている場合もあります。
また幼い子どもの夜泣きや授乳などで眠れないなど体力的にも疲れている方も少なくありません。
すぐに保育士に話してくれることは難しいかもしれませんが、
「無理されないでくださいね」
「何か困っていることや気になることがありますか」
など優しく声かけするだけでも保護者のサポートにつながります。
まとめ
かみつきは成長過程の一つととらえ、前向きに対策しましょう。
また、保護者の笑顔がなくなっては子どもの笑顔もありません。
日中の保育中は子どもの安全をしっかり守り、保護者のケアもしっかり行いましょう。
私の子どもも噛みつき癖があり、何度も相手の親御さんへ謝ったり、自治体の相談員さんへ相談にいったことがあります。当時はこの場所で生きていけるかしらと思いつめてしまった時もある程です。 31歳 保育士
噛みつきが起こると保育士も親もツライですね。
大切なことは1.2歳での噛みつきには友達が嫌いなど深い意味や感情はない、ということです。
子どもは目の前にあるものしか見ていません。ですので、保護者や保育者の環境設定がとても大切になってきます。
叱っても記憶が続かない月齢なので叱る事も意味がありません。
それよりも、噛むという表現の他に別の表現方法があるよ!ということを繰り返し教えて行くことが大切です。
保育士さん、保護者の方、噛みつきが起こる時期は大変な時だと思いますが必ず乗り越えられると信じています。